ams OSRAMがCT検出器用に新型の512チャンネルADCを発表

インテリジェントセンサとエミッタのグローバルリーダー、ams OSRAMが特殊アナログ‐デジタルコンバータの新世代をご紹介いたします。512チャンネルのアナログ-デジタルコンバータ、AS5912は、高性能コンピュータ断層撮影（CT）スキャナのフォトダイオード（PD）アレイから取得した信号を最適にデジタル化します。このため、当社は全く新たな種類のADCを提供することになります。

ams OSRAMがCT検出器用に新型の512チャンネルADCを発表
 
ドイツ・ミュンヘン、オーストリア・プレムシュテッテン（2024年2月22日） - 医療分野におけるCTスキャナの大手サプライヤー、ams OSRAMはAS5912を発表しました。小型の23 mm x 15 mmボールグリッドアレイ（BGA）システムインパッケージのソリューション内に512チャンネルを搭載する、初のCT検出器用アナログ-デジタルコンバータ（ADC）です。高チャンネル密度のおかげで、ADCはCTモジュールのピクセルを小型化でき、CTスキャナで高解像度の画質を実現します。
  
AS5912はシステムインパッケージで、性能の発揮を保証するために必要なシリコンとデカップリングコンデンサを統合しています。このため顧客側で部品表（BoM）を節約し、システム統合を支援できます。チャンネル個別のアナログフロントエンドとアナログ‐デジタル変換、低ドロップアウトレギュレータ（LDO）、統合型の基準電圧と温度センサを特徴とします。オンチップの自動校正機能を通じて、データ取得システムでの開発労力が削減されます。
  
また、ADCがCTモジュールの組立を簡素化します。特に、例えば16 x 32 PDアレイで構成される4面のバタブルモジュールを、1台のAS5912でインターフェースすることが可能になります。
  
AS5912は256チャンネルのAS5911デバイスと同じアーキテクチャを使用するため、同クラス最高の電力対雑音比も受け継いでいます。このため、次世代のCTスキャナで最高の画質を実現します。低電力モードでは、各チャンネルで1.25 mWの放熱効果により自己発熱が抑えられ、CTスキャナの温度安定化目標を支援します。画質で肝心な要素はノイズです。入力換算ノイズは、0.5 µAの入力電流範囲で、0.29 fC未満となっています。 
  
256チャンネルを持つAS5911と比べ、新型のAS5912はチャンネル単位の面積を縮小しているため、1台のBGAパッケージに2倍ものチャンネル数を搭載できます。この結果、新型のAS5912は、複雑さの簡素化と高性能の両立が求められる、医療とセキュリティアプリケーション向けの新世代高性能CTスキャナーに欠かせない役割を果たせます。

ADC製品ファミリーについて 
AS5900（128チャンネルADC）とAS5911（256チャンネルADC）に続いて、ams ORAMはCT検出器用の512チャンネル特殊ADCを発表しました。この製品ファミリーは競合の特殊ADCより優れた性能を持ち、システムインパッケージは面積を小型化しています。ADCファミリーは、4面すべてに並ぶCTモジュールなど、検出器の様々なフォームファクタに合わせた設置を可能にします。