高性能なUV-C LEDと高度なUVセンサの組み合わせにより、ユーザーの安全性を確保しながら効果的な病原体の処理を実現

2020年の新型コロナウイルス感染症がもたらすパンデミックの発生以来、細菌、ウイルス、芽胞による汚染や感染に対抗するための紫外線(UV)の利用に対する関心が高まっています。紫外線処理の科学的知識は理解が進んでいます。短波長UV-C帯の光は、表面、空気、水を効果的に殺菌することが知られています。 

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太陽から放射されるUV-C光は、波長のより長いUV-AやUV-Bとは異なり、大気を通過することができないため、地球上では自然に発生しません。そのため、ウイルスや細菌などの有機体は、UV-C照射に対する防御機能を発達させることができませんでした。UV-C光はDNAやRNAに干渉し、複製を阻止することで、病原体として機能しないようにします。 
UV-Cランプが携帯電話の汚染をどれほど迅速かつ効果的に処理することができるかを見て、この技術をより詳しく知ることができます。このデモンストレーションでは、ams OSRAMのUVエミッタとトライバンドUVセンサの技術を組み合わせることで、コンシューマー、産業、専門家向けのアプリケーションにおける、将来的なUV-C処理のより効果的な実施可能性も示唆しています。 

> Watch on Youtube: ams OSRAM Smart UV Sphere: innovative use of UV-C LEDs for disinfection
 

照射量と暴露量をコントロールするための鍵

UV-Cランプは、ウイルス、細菌、芽胞を不活性化することが知られており、多くの市場分野とアプリケーションで関心を集めています。コンシューマー分野では、家庭での空気や床の殺菌、水処理にUV-Cランプを使用することができます。産業分野では、水の使用時に水道の蛇口からUV-Cランプを照射して処理したり、大型空調設備を通過する空気を清浄化したりすることができます。また、病院では患者のいる部屋の空気や表面の除染、旅客機では搭乗前の機内の殺菌など、さまざまな場面でUV-Cランプの利用が期待されています。 

 


このように、理論的には十分な科学的根拠がありながら、実際にUV-C処理を実施する際には、照射量と暴露量という2つの重要な問題に直面します。そこで、ams OSRAMの技術が貴重な新しいアプローチとして期待されています。

ダイヤルを最大にするのは非効率

現在、UV-C処理システムでは、照射量の問題を力ずくで解決しています。LEDなどのUV光源は、目的とする波長帯の発光量を製品データから知ることができないため、操作者はダイヤルを最大まで回し、できるだけ多くのUV光を照射して、照射不足のリスクを排除しようとする傾向があります。 
しかし、この方法は消費電力が大きく、特にバッテリー駆動のポータブル製品では好ましくありません。また、UV-Cランプに暴露される資材の劣化も早まります。
実際のところ、この方法は粗雑な対処法ですが、エミッタによって発射されるUV-C光の量を測定する満足な方法がこれまで存在しなかったため、必要な方法でした。また、現在のシステムでは、ウイルスや細菌だけでなく、人体にも有害なUV-C光の危険な照射を防ぐための費用対効果の高い確実な方法もありません。現在使用されている分光計やディスクリートのアナログセンシングソリューションは、かさばる上に高価です。さらに、分光計は定期的に校正を行う必要があります。 

 

ams OSRAMのソリューション

この問題の解決には、光学ソリューションのグローバルリーダーであるams OSRAMが最適な位置付けにあります。ams OSRAMは、2020年に初のローパワーおよびミッドパワーUV-C LEDを発売しました。 Oslon UVシリーズは、紫外線の生成に使用される従来の水銀ランプに代わる、コンパクトで堅牢な、水銀を使用しない代替品を提供します。

 

例: 13.5 mW OSLON® UV 3636 – SU CULCN1.VC



このシリーズは、イノベーションを組込みながら、拡大しています。2022年半ばに発売予定の新しい高出力のUV-C LEDは、大規模なアプリケーションにおける、より深く、より強力な処理を可能にします。

ams OSRAM UVセンサ


ams OSRAMは、エミッタに加え、光学センサも製造しています。赤外線や可視光線から紫外線まで、光学センシングの能力を拡張することで、照射量と暴露量の両方をコントロールするインテリジェントな閉ループシステムを構築することが可能になります。UVセンサとOslon UV LEDを組み合わせることで、照射量を正確に最適化し、あらゆるアプリケーションで必要とされる汚染物質処理を達成することができます。 
 


これにより、消費電力や経年劣化といった過剰暴露の欠点をすべて回避し、正しい照射量が適用され、汚染が除去されたという確信をユーザーに与える文書の作成も支援します。また、紫外線出力の直接検出機能をエミッタシステムに組み込むことにより、UV-C LEDの点灯時に常に警告や安全機構を確実に作動させることができます。 
 

スマートな除染装置

Oslon UV LEDと組み合わせたUVセンサの使用は、生物発光現象を利用したインテリジェントなUV-C処理システムの開発を可能にします。この現象は、ウイルスや細菌などの有機体が、UV-Cランプを照射されるとUV-Aを放出する性質によるものです。高感度なトライバンドUVセンサ(UV-A、UV-B、UV-Cの3つの光に反応するデバイス)を使用することで、微量の生物発光を検出することができます。これを利用して、病原体が検出されたときのみにUV-C処理を作動させることができ、省電力で汚染のリスクを最小限に抑えることができます。 
さらに、病原体の生物発光現象は、必要な量の紫外線を所定の時間照射した後、どれだけの有機体が残っているかをUVセンサで確認することで、品質管理に利用することもできます。ams OSRAMが得意とするエミッタとセンサ技術の組み合わせは、よりスマートで効率的なUV-C処理システムの基礎となります。 

ams OSRAMの製品開発に関するニュースにご注目ください。Oslon UV LEDに加え、近々UVセンサの新製品が発売される予定です。