医療画像処理
ams OSRAMのX線センサとナノスケールカメラは、最先端の性能で精度と画質を実現し、医療従事者が人体の奥深くまで観察できるように支援します。
医療画像処理ソリューション
医療画像処理の検出器をリード
ams OSRAMは、医療画像処理のためのコンピューター断層撮影(CT)とデジタルX線センサの分野を牽引しています。当社は傑出した精度、高速取得、低ノイズ、超低消費電力などを特徴とする独自の医用画像センシングソリューションを設計・製造しています。これらを活用し、スキャン機器のメーカーは患者への放射量を可能な限り低く抑えながら、鮮明な画像を生成することが可能になります。
CTスキャナは、骨、骨格筋、頭部、心臓、肺など、人体のさまざまな部位の3D画像を非常に迅速に取得できるため、医療従事者が利用する最も強力な診断ツールに数えられます。骨格、組織、血管やその他の身体部位で各部を明瞭に区別して表示できます。
最新のマルチスライスCTスキャナで重要となるコンポーネントに、検出器アレイが挙げられます。患者の身体で部分的に減衰したX線放射を検出し、デジタル信号へ変換します。検出器アレイの設計に応じて、感度、ノイズ、解像度、速度などの動作特性が影響を受けます。
ams OSRAMは、最小限に抑えた線量でかつてないレベルの画質を達成する、フォトンカウンティングテクノロジーに向けて、その高度なイメージセンシングの専門知識を前進させています。当社は3面と4面のバタブルに対応した幅広い高性能ソリューションを提供しており、低ノイズ、超低消費電力、高速読み出しを実現します。
こうしたソリューションは、顧客に最大限の柔軟性を提供できるスタンドアロンの高チャンネル数アナログ/デジタルコンバータから、単一のシリコンパッケージにフォトダイオードアレイと読み出し回路の両方を搭載した高集積ICまで多岐にわたり、最高のパフォーマンスを提供します。高速取得と最高クラスの信号対雑音比により、被曝X線量を物理的限界まで下げることができるため、患者の体に対する負担を大幅に軽減します。
可能な限り最高の画質を達成するために、ams OSRAMは補完的なポートフォリオオプションを提供し、患者の精密な位置調整に対応しています。狭焦点レーザーやLED製品、または患者をできる限り最適に配置するための光学ガイダンスと位置合わせのための完全統合型プロジェクションソリューションのほか、ams OSRAMは、高精度の直線および角度位置センサを提供し、対応している機械設備を最高の位置決め精度で誘導します。CTスキャンを受けている患者の小さな動きをアルゴリズムで補正する場合には、2Dまたは3Dカメラベースのビジョンソリューションや、タイムオブフライトをベースとした3Dセンシング のサポートを検討することができます。患者の位置が不正確だと、放射線量を正確に分散させることができず、最適な画質が得られないことがあるため、これは重要な点です。
デジタルX線を最大限に活用
デジタルX線装置は、一般的なX線撮影、マンモグラフィーおよび画像下治療で広く使用されています。この装置に組み込まれたフラットパネル検出器(FPD)は、ノイズを抑えて高解像度の画像を生成できなければなりません。
これらのFPDに対するams OSRAMのソリューションは、デジタルX線装置メーカーが正確な画像を生成し、スキャン速度を向上させるのに役立ちます。ams OSRAMのポートフォリオには、高速読み出し回路と、最低15µsのラインタイムに最適化されたゲートドライバがあります。これらのデバイスは、蛍光透視法などの動的X線アプリケーションでフレームレートを向上させるために使用されます。
携帯式のバッテリー駆動FPDを使用する静的アプリケーションでは、ams OSRAMはチャンネルごとの放散が最低1.1mWに収まる読み出し回路を提供し、検出器のバッテリーを交換せずに放射線医師がより多くのX線照射を行えるようになっています。
FPDは、あらゆるデジタルX線システムの基盤となります。X線管で生成され、患者の身体を通過した放射線を回収します。ここで出力された画像を使用し、放射線医師が診断を行います。
ams OSRAMは集積回路設計に関する豊富なノウハウ、半導体生産工程の専門知識、医療画像処理機器のエコシステムを長年扱った実績を活かし、標準製品と特殊アプリケーション用のカスタムデバイスの両形態で、最先端の読み出しICとゲートドライバーを提供します。
最新のROICはデジタルX線センサのAS5850Bです。ほとんどのX線システムで使用可能な、16ビット、256チャンネルの低ノイズ型電荷-デジタル変換器です。非常に柔軟にプログラミングでき、多彩なアプリケーションでシステムパフォーマンスを最適化できます。高速、低ノイズ、低消費電力の特徴を併せ持ち、画質を最大限に高めて患者の放射線への暴露を最小限に留めつつ、市場への投入時間を短縮させます。
患者の位置を正確に合わせられるよう、ams OSRAMはレーザーまたはLEDベースのプロジェクションマーカーと位置センサ向けのソリューションを提供しており、患者の最適な配置を視覚化するだけでなく、照合することも可能にしています。
内視鏡のイノベーションを達成
体内に挿入される内視鏡は、医師が患者の内部を検査することを可能にします。内視鏡の先端にあるカメラは、患者の不快感を最小限に抑えるため、できるだけ小さくする必要があります。
ams OSRAM NanEye小型カメラモジュールを搭載する内視鏡は、先端を非常に狭くできます。システム統合に必要なインターフェイスを含めた完全デジタルのカメラ・オン・チップであるNanEyeモジュールの面積は0.5mm2未満です。ams OSRAMは、医療機器メーカーが微小侵襲手術のための小型カメラを開発できるよう、統合に関する専門知識も提供しています。組み込まれたデジタルカメラと最適な照明ソリューションの組み合わせは、私たちの先進的なポートフォリオによって実現されています。
メーカーは、ウェハレベル光学の統合に関するams OSRAMの専門知識を活用して、完全な内視鏡システムインパッケージ(SiP)の製造を可能にすることもできます。このようなSiPソリューションは、内視鏡のサイズとコストの両方を削減する最も効果的な方法を提供します。
紫外線(UV)から短波赤外線(SWIR)までの広いスペクトル範囲にわたるマルチチャネルスペクトルセンサなどの高度な光学センサが、必要な発光素子と組み合わされ、革新的なオンザフライの組織分析に新たな可能性を開きます。これは、例えば、1つの診断ステップで潜在的な癌を早期に検出するために役立つ可能性があります。