新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)抗原検査は相変わらず不可欠ですが、回復した人やワクチンを接種した人は、自分の抗体レベルを知りたいと思うかもしれません。そこでams OSRAMのスペクトルセンサが、その答えに導いてくれます。
現在、誰が、どこで、いつ、ブースターワクチンを接種するかということをめぐって議論がおこっています。
体が侵入してきたウイルスを感知すると、抗体は呼び出され、ウイルスと戦います。ワクチンによる免疫と自然感染のどちらの場合も、体はウイルスに対する抗体を作ります。しかし、その数は時間の経過とともに減少し、防御レベルも低下します。ams OSRAMの実績あるスペクトルセンサに基づく新しいデジタル迅速検査が、新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)に対する抗体レベルを測定するために使用できるようになりました。実際のところ、その原理はCOVID-19抗原検査と同じで、試験紙上の生化学物質の組成が異なるだけです。
このスペクトルセンサは、ams OSRAMがセンサ、光源、光学モジュール、ワイヤレス接続を備えたPCBを提供する独自のクラウド接続ソリューションの一部として、高品質な分散型試験の可能性を実現するために不可欠です。デザインインガイドを用いることで、メーカーはこのPCBを革新的な製品に簡単に組み込むことができます。
少量の血液サンプルを塗布すると、生化学的な作用により試験紙のテストラインとコントロールラインが着色されます。そしてスペクトルセンサが、対応する色の変化を測定します。
テストラインとコントロールラインの位置で、2つのLEDが順次点灯します。点灯した光の一部が吸収され、反射した信号のスペクトルが測定されます。
ラインの変色度合いは、抗体量(血液サンプルに含まれる抗体のレベル)に正比例します。抗体の量が多いほど、色が濃くなります。
そして、科学界ではまだ議論があるにせよ、抗体の量と再接種、いわゆるブースターの必要性の間には文献的証拠があります。
現に、世界保健機関(WHO)は、BAU/ml(結合抗体単位/ml)を血液中の抗体数を判定する基準として定めています。最新の知見では、50BAU/ml未満は再接種を強く推奨、50~150BAU/mlは再接種を推奨、150BAU/ml超は再接種が必ずしも直ちに必要でないと言われています。
現在、抗体量を測定する検査は、検査機関または薬局・一般開業医でのポイントオブケア検査(POCT)により実施されています。しかし、標準的なラテラルフロー試験では、客観的かつ信頼性の高い力価の定量化が実現できません。ラインの色の濃さを比較するための「スコアカード」を使用したソリューションもありますが、これはユーザーエラーを起こしやすいものです。また、ベンチトップリーダーを使用する方法もありますが、機器が高価で体積が大きい、かつ定期メンテナンスを必要とします。
これに対し、Senova GreenLightプラットフォームでは、抗体量を<150 BAU/ml、150 BAU/ml~1000BAU/ml、>1000 BAU/mlの3つのレベルに区分した半定量的な結果を提供することが可能になりました。これは、すべての電子部品がテストカセットに統合された単回使用医療機器でもあります。その結果はスコアカードよりもずっと客観的で信頼性が高く、さらに治療の観点からすれば、現在行われている、より高額で時間のかかるラボ検査と同等の結果が得られます。
また、GreenLightはこの客観的で信頼性の高い結果を15分程度で提供するため、患者はチェック後、必要に応じて直接ワクチン接種を受けることができます。診療所でのフォローアップも必要ありません。
また個人でも、ブースターワクチンの接種を決める前に、あるいはワクチンによって期待される免疫保護が得られたかどうかを確認するために、抗体レベルを知ることが役立つ場合があります。この検査により、ブースター接種が今必要か、あるいは他の人にこの医療物資を譲るかを「その場で」迅速に判断することができます。抗体レベルを測定するために、これほど高感度で、定量化を実現でき、多項目の測定を可能にするポイントオブケア(POC)センサプラットフォームは他にはありません。
測定結果は、認証された医療クラウド上でデジタル化され、すぐに利用可能になります。
重要な疾患の抗体を測定するための迅速なPOC検査
LFT(ラテラルフローテスト)はすでにPOCで広く利用されています。そのメリットは明らかです。使いやすいため現場で検査でき、数分で結果が得られ、設計がシンプルでコスト効率に優れています。さらに、デジタル出力が可能なため、携帯電話や医療グレードのクラウドサービスへBluetooth Low-Energy(BLE)接続が可能です。
ams OSRAMのセンサプラットフォームがお届けする最も重要な付加価値には、高感度、定量化、多項目測定が含まれます。
現在、GreenLight検査は使い捨てのソリューションですが、近い将来、リーダーが再利用可能になる予定です。
新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)の抗原および抗体は、このテクノロジーがもたらす2つの重要なアプリケーションに過ぎません。付属の交換可能な試験紙に応じて、細菌などの病原体、トロポニンなどの心血管マーカー、タンパク質、ホルモン、ビタミンなどの測定に「GreenLight」を使用することができます。