ams OSRAMの広範なスペクトルセンサファミリーは、蛍光および比色ベースのアッセイで、定量的かつデジタル化されたポイントオブケア診断を可能にします。

2020年初頭、診断検査は通常、専門のエキスパートが採取したサンプルを使用して行われ、その後、大型で高価な専用機器を使用して実験室で分析するためにサンプルを送付していました。専門家が分析した結果が手元に届くまで、数日、時には数週間かかることもありました。その後、COVID-19のパンデミックが発生し、世界は診断検査を変える必要があることに気付きました。ams OSRAMやその顧客、パートナーを含め、多くの革新的な組織によって推進され、現在では信頼性の高い診断が、誰でも、どこでも、ほぼ即時に、さまざまな要素に対して実行できるようになりました。COVID-19ラテラルフロー試験(LFT)を最近使用したことがある人も多くいるでしょう。そういった技術は現在、多くの国で個人使用のために「店頭で」購入することができます。

過去24か月間、ams OSRAMでは、医療機器の基準を満たし、非常に短期間で市場に投入するために、膨大な量の研究、開発、試験を推進してきました。ここでは、「信頼性」という言葉が非常に重要です。人々は、検査結果を信頼し、その結果に基づいて自分が取るべきさまざまな行動を決定する必要があります。検査キットは、COVID-19などの異なる呼吸器疾患とインフルエンザの種類を区別し、細菌感染とウイルス感染を区別する必要があります。ここで、ams OSRAMのスペクトルセンサファミリーが威力を発揮します。特殊な光学技術により、スペクトルリードアウトは、典型的なLFTの限界を補うことができます。第一に、通常の目視によるリードアウトと比較して(特に蛍光アッセイで)感度が向上されます。第二に、実験室におけるベンチトップの精度が、ポイントオブケアでの携帯型/使い捨てのフォームファクタで、しかもはるかに低コストで提供可能になりました。そして第三に、定量的かつ客観的な結果がわずか15分程度でデジタル表示され、モバイル機器を介して医療認証済みのクラウドサービスにアップロードできるようになりました。

実は、必要な技術が何百倍も安く、ポイントオブケアで使用できるようになったらどうするか、と診断薬分野のお客様やパートナーに問いかけました。Midge Medical社、Eldim社、BiologyWorks社などの企業からいただいた回答についてお読みいただくことができます。各社とも、AS7341Lスペクトルセンサをベースとするams OSRAMのセンサテクノロジーを、COVID-19の検査など、業界を変えるデバイスに採用しています。AS7341Lは、現在市場で入手可能な診断用色測定において、最高のスペクトル精度と感度を提供します。

次世代の遠隔診断


 

鉄分の測定から伝染病対策まで、あらゆる健康状態を診断する新しい方法が必要です。そこで、遠隔医療と組み合わせたポイントオブケア診断の力について考えてみましょう。このシナリオでは、患者はまず電話やビデオ、アプリを使用してリモートで健康相談員に連絡を取ります。この遠隔医療相談に基づき、適切な検査キットがすぐに発送され、自宅で使用することができます。患者は説明書を読み、適切に検査を行うことができます。例えば、抗体と検出する分子などの生化学反応により、試験紙の色が変化します。スペクトルセンサとライトエミッタを組み合わせることで、微かすぎて人間の目には見えない色や蛍光の挙動を検出することができます。

センサはBluetooth対応のマイコンに接続されており、そこから数値を読み取り、スマートフォンや医療認証済みのクラウド環境へ送信することができます。結果は、電子的な形態で医療従事者や患者にほぼ即座に提供されます。この結果に基づいて、正しい診断を読み取り、適切な措置を採ることができます。

誤解のないように言うと、これはウイルスだけに留まりません。例えば排卵やビタミンレベル、さまざまな疾病にも、迅速で高精度な検査が必要とされています。特にビタミンレベルは、定期的に薬を服用している人にとって重要な検査です。家庭で簡単に実施できる検査があれば、医者に行くほどでもないような病気を特定できるようになり、大きな進歩となります。

ファミリーの新たなメンバー:AS7343L 13チャンネルスペクトルセンサ

新しい次世代ポイントオブケア診断装置向けのAS7343L 13チャンネルスペクトルセンサは、比色および蛍光色素の検出を可能にするスペクトル機能を向上させています。 
チャンネル数が増えることで、より柔軟にデバイスを構成できるというメリットもあります。当社は、感度と光学性能の継続的な改善を通じて結果の信頼性を最大限に高めるために、今後の設計にこの進歩をどのように最適化するかについて、新規のお客様やパートナーの皆様からのご相談を歓迎しています。

前世代(AS7341L 10チャンネルスペクトルセンサ)は、特定用途の重要な基準を満たすための最良の選択肢ですが、AS7343Lは、400nm~1000nmレンジのスペクトルチャンネルを追加することにより、お客様のデバイスで同時により多くの指標を調べることが可能になります。フィルターの定義が重要視される場合には、12のスペクトルフィルターと1つの汎用ブロードバンドチャンネルも用意されています。

またこれは、マルチチャンネルの色分析とXYZセンサテクノロジーを組み合わせた当社初の製品で、人間の目で見た光の色と強度を測定することができます。AS7343Lを分光計に組み込むことで、分光分析の生産性、柔軟性、機能性が向上されます。これは、ポイントオブケア検査において、より優れたスペクトル分解能とスペクトルレンジの恩恵を受けられることを意味します。

ams OSRAMは、企業とのパートナーシップにより、お客様の設計に最適な組み合わせで、当社の技術を最大限に活用していただけるよう取り組んでいます。世界を変える当社のスペクトルセンサを使用して、お客様のポイントオブケアアプリケーションを最大限に活用する方法について、ぜひ当社にご相談ください。


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