ams、健全な需要に牽引された、堅調な第1四半期のグループ業績を報告...
amsは、健全な需要に牽引された、堅調な第1四半期のグループ業績を報告。従来のams事業の収益は予想範囲の上半分、調整後営業利益率が予想範囲の上限近くに--完全統合が進行中。高い総シナジー効果と削減効果が予想され、グループ名は「ams OSRAM」へ--第2四半期のグループ予想収益は14億3,000万~15億3,000万米ドル--OSRAM株式の非上場化買付け
オーストリア、プレムスタッテンとドイツ、ミュンヘン発(2021年5月4日) --高性能センサソリューションをグローバルに提供する大手サプライヤーのams(SIX: AMS)は、2021年第1四半期のグループ業績として、収益15億4,900万米ドル、調整後営業(EBIT)利益率11%という堅調な結果を報告しました。この魅力的な業績は、コンシューマ市場における典型的な季節性にもかかわらず、自動車市場での好調な需要といった、健全な全体的需要により牽引されています。最終的に公表された従来のams事業に関する予想についてみると、当事業の第1四半期の収益は予想範囲の上半分、調整後営業利益率は予想範囲の上限近くになりました。2021年第2四半期について、ams OSRAMはさらに良好な事業の発展を見込んでおり、季節的な影響を考慮して、収益を14億3,000万~15億3,000万米ドルと予想しています。
光学技術の世界的リーダーとしてのグループ全体の地位を強調するために、合併後の会社名は「ams OSRAM」となります。ams OSRAMは、amsとOSRAMのロゴを使用した視覚的なコーポレートアイデンティティ戦略を策定し、来たる年次総会でams AGの法的登録名を変更する予定です。統合されたグループは、ams OSRAMグループと呼ばれます。ams OSRAMは、その事業構造を反映させるため、半導体セグメントとランプ&システムセグメントの2つを有する統合グループ向けの、新しい表示と財務報告の枠組みに移行しています。この枠組みは、グループのソリューションポートフォリオの分類法に完全対応しており、グループのセグメント報告に使用されます。半導体(Semis)セグメントは従来のams事業と従来のOSRAM光半導体事業から構成され、ランプ&システム(L&S)セグメントは従来のOSRAM自動車・デジタル事業から構成されます。
第1四半期のグループ収益は15億4,900万米ドルで、非常に好調だった2020年第4四半期に比べ、前四半期比で9%の減少となりました。OSRAMの買収に伴い、比較可能な前年の財務数値はありません。収益の推移は、全体的に健全な需要を背景に、予想される季節的な影響を反映しています。収益は、半導体セグメントが全体の65%、L&Sセグメントが35%を占めています。2021年第1四半期の調整後[1]グループ総利益率は35%となり、2020年第4四半期の35%から変化はなく、前年の比較可能な数値はありません。
第1四半期の調整後[1]グループ営業利益(EBIT)は、2020年第4四半期の2億8,500万米ドル(利益率17%)に対し、1億7,200万米ドル(利益率11%)となりました(第1四半期8,100万米ドル〔利益率5%〕の調整を含む)。前年の比較可能な数値はありません。最終的に公表された従来のams事業に関する予想についてみると、当事業の第1四半期の収益は5億2,500万米ドル、調整後営業利益率は収益の22%となり、それぞれ予想範囲の上半分ならびに上限近くとなりました。第1四半期の調整後[1]グループ純利益は、2020年第4四半期の1億8,300万米ドルに対し、8,900万米ドルとなっており、前年の比較可能な数値はありません(第1四半期-200万米ドルの調整を含む)。第1四半期の調整後[1]の基本的/希薄化後1株当たり利益は、260,986,741/262,009,178株に基づいて、0.38/0.38米ドルまたは0.34/0.34スイスフラン、調整を含めて0.03/0.03米ドルまたは0.03/0.03スイスフランとなりました(2020年第4四半期:260,696,784/294,130,349株に基づき、0.62/0.48米ドルまたは0.55/0.43スイスフラン、すべて加重平均)。
2021年第1四半期のグループ営業キャッシュフローは、2億4,900万米ドルの黒字で、グループのフリーキャッシュフローは1億5,100万米ドルに達しました。2021年3月31日時点のグループ純負債は20億2,300万米ドルで、これは純負債/調整後1 EBITDAの1.7倍のグループレバレッジに相当し、予想を上回っています。2021年3月31日時点の現金および現金同等物は、2020年末から変わらず19億2,900万米ドルでした。
amsとOSRAM間の支配および損益移転契約(DPLTA)が3月上旬に発効したことにより、amsは想定通りOSRAMの経営支配を達成しました。amsとOSRAMの事業統合は、新しいグループ組織の導入、シナジー効果の創出、グループ事業ポートフォリオの最適化を行うための複数のプログラムを通じて、現在本格的に進められています。amsは、前回発表した3年間の予想ランレート税引前シナジー効果3億ユーロから増加して、3億5,000万ユーロの予想コスト削減効果を確認しています。これらの予想ランレート税引前シナジー効果は、OSRAMが昨年夏以降に実施した、5,000万ユーロのコスト削減がすでに達成されている2021年第1四半期を基準として実現されます。また、発表されたポートフォリオ調整の一環として、いくつかのM&Aプロセスにも取り組んでおり、今後、最新情報を提供していきます。
昨日、amsは残りのOSRAM全株式に対して、OSRAM株式1株あたり52.30ユーロの現金を対価とする非上場化買付けを発表しました。この買付けは、OSRAMをams OSRAMグループに事業的および法的に完全統合するための重要なステップであり、リソースの合理化とコストの最適化にもつながります。グループの財務戦略に基づき、この買付けに追加の資金調達は必要ありません。買付け公示文書が規制当局に承認された後、5月21日前後に4週間の買付け期間が開始される予定です。買付け期間終了後に、OSRAM株式の規制市場からの非上場化が行われる予定です。amsは、残りのOSRAM株主の皆様に、この魅力的な現金買付けをご利用いただくことをお勧めします。
グループの半導体(Semis)事業は、事業分野全体にわたり、非常に健全な発展を遂げました。自動車市場向けの半導体事業は、前年比で非常に魅力的な収益成長と高い収益性を達成し、好業績となりました。昨年に比べて自動車需要の回復が続いていることから、各地域で優れた顧客需要が継続しています。ams OSRAMは、世界中のお客様に向けて、フロント、リア、内装に対応した自動車用照明部品およびソリューションを提供しています。車両のLED化が進む中でその恩恵を受けながら、ams OSRAMはイノベーションリーダーとして、今後数年間にわたり次世代自動車用照明に注力していきます。これには、ドライバーを支援し、路上の安全性を向上するための全く新しいアプリケーションを可能にする高ピクセル化前照灯や、AR統合のロードマップを搭載した進化型ヘッドアップディスプレイ技術が含まれます。グループのEELとVCSELを組み合わせたポートフォリオは、ADASや自動運転のための将来のLIDAR市場に向けて、高性能な照明を提供します。全体として、ams OSRAMは非常に好調な受注状況が今四半期も継続しており、この分野における需要と供給の不均衡に後押しされています。2020年と比較して生産効率が向上しているにもかかわらず、稼働率は最大であり、いくつかの分野で生産量が顧客需要を下回っています。
コンシューマ市場における半導体事業は、グループの一連の光学センシングソリューションが牽引し、健全な業績を達成しました。ams OSRAMは、ディスプレイ管理、カメラの強化機能、3Dセンシング技術のリーディングカンパニーであり、さまざまな大手OEMメーカーにサービスを提供しています。その幅広いポートフォリオは、BOLEDディスプレイ管理、カメラの強化アプリケーション向けの光解析と測距、超小型光学センシング、多様なアーキテクチャでの3D機能や斬新なビジュアライゼーションなどの機能を推進しています。非常に破壊的な新技術であるマイクロLEDディスプレイ技術にams OSRAMは強い推進力を見出しており、拡張可能なコンシューマアプリケーションの観点から、この重要なイノベーションの産業化を推進しています。ams OSRAMは、マイクロLEDのエピタキシーとウェハ処理におけるグループの主導的な位置づけと、コンシューマ市場からの肯定的なフィードバックを踏まえて、今後数年間にわたりマイクロLEDの大きな可能性を見込んでおり、センサとディスプレイの統合がそれに続くと期待しています。また、ams OSRAMは、現在のマルチデバイス用ディスプレイの性能をバックライトで大幅に向上させるミニLED技術にも強く、これはすでに市場に流通しています。ams OSRAMは前向きな市場の動きから恩恵を受けて、その技術的な強みに基づき機会を拡大する、強い位置づけにあると考えています。ams OSRAMは、ディスプレイのバックライトだけでなく、新しいエキサイティングなユースケースに向けた斬新なミニLEDテクノロジーの可能性を追求し、イノベーションを推進しています。また、ワールドフェーシングAR用の3D ToFやBOLED 3D認証向けのシステムレベルのソリューションを含む、次世代の光センシングおよび3D技術の開発も、AR向けの革新的なNTE(Near-To-Eye)ビジュアライゼーションおよびセンシングなどと併せて継続しています。
産業用および医療用市場における半導体事業は、堅調な発展を見せています。照明、産業オートメーション、HABA、画像処理などの地域主導の回復がさらに促進されており、また園芸照明部品の需要が大きく増加しています。センサを多用するインダストリー5.0は、将来的に多くのチャンスを生み出します。グローバルシャッター画像処理やスペクトル分析におけるグループのリーダー的位置づけの確立が、これを促進します。ams OSRAMは、化学薬品を使用しない効果的な殺菌を実現する革新的なUVC LED技術についても、将来の大きな成長を見込んでいます。医療画像処理では、当社の強固な市場における地位を背景に、前向きな発展が見られました。また、ポイントオブケアにおける高精度の新型コロナウイルス感染症LFT検査のための革新的なスペクトルセンシング技術が連続的に成長を遂げています。ams OSRAMは、この分野でさらなる機会を追求し、今後数年間にわたり、体外検査市場における新たなデジタルヘルスアプリケーションを開発しています。
第1四半期のランプ&システム(L&S)事業は、非常に堅調な全体的業績を記録しました。自動車市場が好調であり、前年比で収益が大幅に増加し、高い収益性をみせています。各地域で非常に堅調な需要が持続していることは、昨年に比べて自動車需要の回復が進んでいることを反映しています。今四半期に入っても好調な受注状況が続いており、これは市場における需要と供給の不均衡を反映しています。前年に比べて効率が向上しているにもかかわらず、最大の生産能力で稼働しており、いくつかの分野で顧客需要が供給能力を上回っています。グローバル市場のリーダーとして、またイノベーションの推進者として、今後数年間は、グループのアフターマーケットにおける強い位置づけに支えられながら、非常に革新的な運転支援と高い安全性を提供する、高ピクセル化ヘッドランプシステムなどの次世代照明に重点を置いていきます。
産業用および医療用市場におけるL&S事業は、新型コロナウイルス感染症や市場開発による影響が異なるため、さまざまな状況が見られました。主要地域における末端市場の需要減少が大部分の建設・建築関連のL&S事業に引き続き影響を与えていますが、デジタルシステム事業の一部分野では需要が回復しています。エンターテイメント関連市場は、引き続き全地域で厳しい状況にあります。OSRAMが以前から着手していたデジタルシステム事業の売却プロセスは、グループのポートフォリオ調整の一環として引き続き進められています。
ams OSRAMの事業では、特に自動車市場や、比較的程度は低いものの産業用市場においても好調な受注状況が続いており、今四半期もこの状況が継続しています。同時に、いくつかの分野では稼働率が最大になっており、既存顧客の需要に対して一定の割り当てが行われています。また、半導体業界の一部セグメントでは、サプライチェーンの状況が逼迫していることも認識しています。サプライチェーンは複雑であり、サプライチェーンへの参加者の予測にも限界があるため、ams OSRAMは製品の供給状況や顧客の製造計画に関連して、将来的に間接的または直接的な収益の影響や変動を経験する可能性があります。
今四半期より、財務見通しはams OSRAMグループに関するものとなります。第2四半期の事業全体は、各セグメントにおいて引き続き好調に推移すると見込まれています。この見通しは、特に、サプライチェーンが全般的に逼迫しているにもかかわらず、世界的な自動車需要のダイナミックな回復が継続していることに起因しています。コンシューマ市場における季節的な影響を考慮すると、その他の事業分野における堅調な需要動向がこの展開を支援します。同時に、パンデミック関連の影響が、引き続き各地域の経済や末端市場に異なる強度で影響を与えています。2021年第2四半期については、現在入手可能な情報に基づくと、ams OSRAMのグループ収益が中間点で前四半期比5%減の14億3,000万~15億3,000万米ドル、調整後営業(EBIT)利益率は7~10%と予想されています。
今年の季節性はより限定的で、下半期のグループ収益は上半期に比べて若干高くなると予想しています。これは、引き続き堅調な自動車需要を考慮して予想される自動車の生産状況に加え、コンシューマ市場でのシェア低下が予想されることによるもので、後者の純収益への影響は現在予想されている通期のグループ収益の5%未満となります。その一方で、当社の強力な関係に基づき、コンシューマ市場および自動車市場のすべての最大顧客に対して、複数の継続的な開発およびプログラム活動を行っています
さらに、年平均2桁の収益成長率(%)と調整後営業利益率20~25%を見込む、グループの全体的な財務目標モデルを再確認しています。上述の予想は、新型コロナウイルス感染症がもたらすパンデミックによる予期せぬ悪影響が、グループ事業に重大なマイナス影響を及ぼさないことを前提としています。
2021年第1四半期のその他財務情報は、当社ウェブサイト:https://ams.com/financial-reportsでご覧いただけます。
[1]買収関連費用、1回限りの構造改革費用、株式報酬費用、関連会社への投資結果を除く。