エンジニアからエンジニアへ:タイムオブフライトセンシングとは

産業に革命をもたらす:産業、モバイル、コンシューマー市場におけるダイレクトタイムオブフライト(dToF)センサの画期的なアプリケーションを紹介

ブログ記事「最新の光学センシング技術が新たなロボット設計の将来を切り開く」では、高度な3Dセンシングソリューション、マルチチャンネルのスペクトルセンサとプロジェクションライティングのシステムを通じて、ロボットが周囲環境を「見る」ことができ、ライトを使用して人間とやりとりすることについて、概要を説明しました。では次に、エンジニアの視点から、マルチゾーンダイレクトタイムオブフライトセンシングを評価する際の考慮事項とツールについて詳しく見ていきます。

高精度でスケーラブルなマルチゾーン1D-dToF近接センシングは、その設計の柔軟性、最高レベルの冗長性、そして非常に競争力のある価格設定が理由で、よく選択されます。これにより、最大5メートルの範囲で高度な障害物検出と環境認識が可能になりますが、最初の(最も近い)物体と2番目の(次に近い)物体の単純な判定には、計算負荷があまり高くない検出アルゴリズムを必要とします。

例えば、ams OSRAMの小型TMF882xは、レーザー検出オートフォーカス(LDAF)、家庭用サービスロボット、ユーザー存在検出、非接触型スイッチング、ジェスチャー認識などのアプリケーション向けに、単一のモジュール型デバイスで完全なマルチゾーンセンシング機能を提供しています。

ホワイトペーパー:『understanding time-of-flight sensing』(タイムオブフライトセンシングとは)


スマートフォンでカメラのオートフォーカス機能を実現する測距センサのリーディングサプライヤーであるams OSRAMは、市場の大きな関心に基づいてロボット工学など他の産業アプリケーションにも波及しつつあるタイムオブフライトセンシングの実装に関する深い専門知識を蓄積しています。

新しいホワイトペーパー『understanding time-of-flight sensing』(タイムオブフライトセンシングとは)では、小さな表面実装パッケージに搭載された高精度の測距センサが、モバイルから産業そしてコンシューマー向けアプリケーションにどのように広がっているかを詳細に探っています。エンジニアの視点から書かれたトピックは、次のとおりです。

  • ToFセンサの種類と動作モード
  • ダイレクトタイムオブフライトセンサの最適なアプリケーション
  • アプリケーションにおけるdToFセンサの使用:センサモジュールアルゴリズムヒストグラムの役割
  • アプリケーションにおけるdToFセンサの使用:

o    光学的構成
o    光学設計の考慮点

  • dToFセンサを用いた測距システムの開発をどのように始めるか

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設計技術者が光学設計の課題を克服できるようサポート


dToFセンサの動作原理はシンプルです。しかし、この原理を実際に実装するには、センサが劣悪な動作条件下でも正確な性能を維持できるよう確約するために、複雑なハードウェアとソフトウェアコンポーネントが必要となります。

内部のVCSEL(垂直共振器面発光レーザー)は、940nm赤外光の複数のパルスを放射します。各パルスからの反射は、内蔵の高感度SPAD(単一光子アバランシェダイオード)検出器によって個別に検出されます。タイムトゥデジタル変換器により各受信パルスから測定された時間がヒストグラムにプロットされ、センサモジュールのアルゴリズムが各物体検出イベントに適用される信頼度を決定する堅牢な方法を提供します。



重要な点として、シングルゾーンdToFセンサでは、固定された視野内で検出された最も近い物体がヒストグラムでピークを形成します。これに対し、ams OSRAMのマルチゾーンdToFセンサは、アプリケーションの要件に合わせて視野を調整する柔軟性をユーザーに提供します。

さらに、dToFセンサは光学デバイスであるため、センサを損傷から保護するカバーガラスの特性を慎重に考慮する必要があります。カバーウィンドウに適用される考慮点には、形状、センサに対する角度、厚さおよび空隙、IR透過率、汚染、較正が含まれます。

カバーウィンドウの主な目的はセンサの物理的保護ですが、センサが放射および受け取る光線に対しても光学的な影響を与えます。カバーウィンドウの設計を決定する際の第一の原則は、可能な限りの高レンジと精度を維持するために、光路の歪みや減衰をできるだけ少なくすることです。


dToFセンサを用いた測距システムの開発をどのように始めるか


ホワイトペーパーを読んでdToFセンサの基本原理と重要な考慮事項を理解した後、初めて使用するユーザは、dToFセンサの積極的な評価とプロトタイプ設計への組み込みを通じて学ぶのがベストです。

ams OSRAMでは、幅広い製品ツールやリソースの提供を通じて、設計技術者のこの取り組みを支援しています。これには、センサ設定の異なる構成を評価するための既製の環境を提供する複数の評価キットや、異なる光学アセンブリなどが含まれます。このホワイトペーパーでは、その他多くのガイドラインや詳細情報を提供しています。

さらに、クイックスタートガイドとして、エンジニアからエンジニアへ向けた初のビデオシリーズを作成しました。このビデオでは、Arduino®UNOフォームファクタ開発プラットフォーム上でTMF882X-SHIELDボードを使用して、TMF8820、TMF8821、TMF8828マルチゾーンdToFセンサをすばやく評価する方法を10分以内で設計技術者に紹介しています。小さな(20 mm x 12 mm)センサブレークアウェイボードを搭載したこのキットは、カスタムのプロトタイプハードウェアに簡単に組み込むことができます。カバーガラスのサンプルと空隙スペーサーが付属しており、最適な光学性能のためのシステム評価が可能です。ビデオはこちらからご覧いただけます。

ams OSRAMのdToFセンサと短距離近接センサの詳細情報をご覧ください。