ams、自動車グレードおよびISO26262安全基準準拠のデュアルダイを統合したICの発表により、磁気位置センサのポートフォリオを拡大

ams(日本法人:amsジャパン株式会社、東京都港区、カントリーマネージャー 岩本桂一)は、安全性および診断機能が向上された磁気位置センサの新シリーズを発表します。これにより自動車開発メーカーは、ISO26262で最高のASILシステムセーフティレベルコンプライアンスに準拠できるようになります。

AS5270A/Bは、ブレーキ、アクセルペダル、スロットルバルブおよびタンブルフラップ、ハンドル位置、シャーシのライドハイト、排気再循環(EGR)バルブ、燃料測定計システム、2/4輪駆動切替など、さまざまな自動車アプリケーションに最適なデバイスです。

新しいAS5270AおよびAS5270Bは、0~360°の回転式磁気位置センサで、非接触型で高解像度かつ絶対角測定を提供するシステムオンチップ(SOC)デバイスです。本デバイスは、SEooC(前後関係のない安全要素)デバイスとして開発されたもので、ISO26262機能的安全性標準仕様によって定義されています。

AS5270A/B磁気位置センサは、オンチップのフルデータパス診断を提供し、ホールセンサフロントエンドから、磁場強度の生の測定値を正弦および余弦ベクトルに変換するDSPエンジン、さらにはバックエンドのインターフェースおよびピンにいたるまで、デバイス全体をテストします。

AS5270A/Bは、積み重ねて並べたデュアルダイデバイスで、AEC-Q100のグレード0要件を満たしており、MLF-16表面実装パッケージで供給されるので、高い信頼性で冗長化した運用ができます。分離したパッケージピンがそれぞれのダイに提供されるため、デバイス内の電気的な故障による両方のダイへの影響を回避できます。

内部にコア分解能14ビット(0.022°)のフロントエンド・ホールセンサアレイを持つAS5270A/Bデバイスは、真の12ビット出力解像度を提供します。また本デバイスは、高感度ホールセンサフロントエンドによって、10~90mTの広い入力磁場範囲をサポートし、小型で低コストなターゲット磁石の使用が可能です。

AS5270Aはアナログ出力を、AS5270BはデジタルSENT(シングルエッジニブルトランスミッション)またはPWM(パルス幅モジュレーション)出力のうち、顧客がプログラムしたどちらかを提供します。両デバイスとも、顧客がプログラム可能な角度範囲リミットクランプ、デジタルフィルタリング、出力線形化機能をサポートしています。さらにAS5270Bでは、さまざまなSENTおよびPWMインターフェースプロトコル機能の設定も顧客がプログラム可能です。両デバイスとも、出力ピン経由のワイヤ1本でのプログラミングが可能で、オンボードのチャージポンプ回路や高電圧プログラミングが要求されることもありません。ワンタイムプログラマブル(OTP)ヒューズは一旦書き込まれると、不注意に、あるいは故意にデバイスを再プログラムすることができなくなるため、それによる自動車の安全性リスクを減らします。

AS5270A/B位置センサは、供給電圧5Vで駆動し、電源および出力ピンは最大+20Vまでの過電圧に対して保護されます。さらに、電源ピンは最大-20Vまでの逆極性に対して保護されます。

AS5270A/Bデバイスは、浮遊磁場に影響を受けることがなく、したがって、ノイズが多い磁場環境であっても、非常に正確に測定をすることができます。その結果、競合する磁気位置センサICでは必要になることの多い高価なシールディングの必要がないため、信頼性の高いパフォーマンスとシステムコスト削減を実現します。

ams、位置センサ部門マーケティングおよび製品管理最高責任者、マーセル・アーバンは次のようにコメントしています。「AS5270A/Bデバイスのリリースは、自動車顧客のあいだで需要が高まっている機能的安全性をサポートすることへの、当社の継続的なコミットメントを象徴するものです。amsの新しい磁気位置センサは、総合的な安全性サポート機能を搭載し、これまでの磁気位置センサよりもさらに一層しっかりとした診断およびセルフテスト機能を自動車メーカー各社に提供します。それによって、各社ともISO26262の安全基準コンプライアンスを最高レベルで実現することができます」

AS5270A/B磁気位置センサは現在、量産出荷中です。価格につきましては、当社代理店までお問い合わせください。発注数量は1,000ユニット単位です。AS5270A/Bの評価ボードはamsのICダイレクト・オンラインストアから入手可能です。

サンプル請求および技術情報の詳細はこちらのサイトをご覧ください。AS5270.