シングルチップのセンサソリューション:ams OSRAM、医療用およびセキュリティ用CTに高解像度画像を提供

News Facts:

  • ams OSRAMAS5951は、フォトダイオードを内蔵し、価格に敏感な市場セグメントであるCT(コンピュータ断層撮影)スキャナの32スライス検出器に、コスト効率の高いソリューションを提供
  • AS5951は、A/Dコンバーター、フォトダイオードアレイ、基準電圧を1つのコンポーネントに統合したモノリシック構造により、システム開発を容易にし、材料費を削減することが可能
  • 低ノイズ性能とフォトダイオードの低リーク電流により、高画質と低線量のパフォーマンスを実現

 

オーストリア、プレムスタッテン発(20211027日)-- 光学ソリューションのグローバルリーダー、ams OSRAMSIXAMS)は、CT(コンピュータ断層撮影)スキャナ用の32スライスソリューションでそのセンサチップポートフォリオを拡充します。CTは、医療、産業、セキュリティなど、さまざまな分野で使用されています。
すべてのアプリケーションにおいて、コスト効率の高いCTスキャナを開発するための決定的な要因は、検出器です。「ams OSRAMのセンサチップAS5951は、検出器のアセンブリを簡素化します。高感度のフォトダイオードアレイと読み出し回路を1つのCMOSチップに統合しています。AS5951は、従来品と比較して、同じセンサ面積でも画像解像度が向上しています」と、ams OSRAMの医療・CMOSセグメント責任者であるJose Vinauは述べています。

 

次世代のセンサチップ

AS5950からの主な改良点は、同じ検出器のカバーエリアにおける空間分解能の向上です。サブミリメートルの等方性画素ピッチにより、画像解像度の向上を実現しています。AS5951のフォトダイオードアレイは、0.98 x 0.98 mm²ピッチの16 x 8ピクセルで構成されており、従来の0.98 x 1.96 mm²ピッチよりも向上されています。これにより、2つのAS5951を使用して32スライスの検出器を実現した場合、センサの合計寸法は31.23mmとなり、2倍の空間分解能が得られます。画素密度の向上に対応するため、A/Dコンバータ(ADC)のチャネル数が64から128に増加されています。画素寸法は、顧客の要求に応じて短い開発サイクルでカスタマイズできます。

また、画像のパフォーマンスに影響を与えるもう1つの要素が、最大1pAの低い暗電流であり、これはフォトダイオードでのゼロオフセットに近い電圧の自動校正により実現されます。これは、AS5950に比べて90%低い値であり、より優れた低線量性能を実現しています。入力関連のノイズ性能は、画質を左右する重要な要素です。AS5951では、フォトダイオードとADCチャネルの接続が短いため、ノイズ性能は極めて低く、低線量性能を向上させることができます。

AS5951は、高解像度モードと低線量モードの2つの動作モードを備えています。高解像度モードでは、200nAの入力電流範囲で最大0.30fCのノイズを実現しています。低線量モードでは、ノイズレベル0.43 fC2つの画素をより大きな画素にビニングすることで、S/N性能を向上させ、線量レベルの低減を可能にしています。また、フォトダイオードを含め、±600ppmという高い直線性により、アーチファクトのない画像を実現しています。最小積分時間は200 µsで、CT検出器の高速回転が可能です。デジタルデータの読み出しは、SPIインターフェイスを介してアクセスできます


32スライスCT検出器のコスト最適化ソリューションとしてのAS5951
ams OSRAMによる特許取得済みの製品設計により、128チャネルのADCは、 フォトダイオードアレイ横のディスクリートコンポーネントとして配置するのではなく、モノリシックに1つのデバイスに統合することができます。これにより、CT検出器のベンダーは、複雑さと製造コストを削減することができます。CT検出器の大きなピクセルアレイを組み立てるため、AS59513つの隣接するエッジに取り付けられます。2つのAS5951 ICZ方向(軸)に配置することで、価格に敏感なCT検出器における32スライス検出器の開発が可能になります。内蔵の基準電圧により、外付け部品を追加する必要がなく、部品コストを削減できます。また、統合された温度センサがチップの温度を監視します。AS5951は、すぐに使用できるセンサチップソリューションで、検出器とのシステム統合を容易にします。

また、低線量モードでは、センサあたりの最大消費電力が67.2mWとなるため、自己発熱が抑えられ、冷却コストの削減につながります。CTモジュールを構築する際、AS5951は、ワイヤーボンディングプロセスにより基板に直接マウントすることができます。AS5951は、低コストの基板材料と組み合わせることで、CT検出器のコスト効率に優れたモジュール型ソリューションを提供します。これは、世界中で診断用CT画像へのアクセスを向上させる鍵となります。

詳細な技術情報は、https://ams-osram.comhttps://ams.com/as5951をご覧ください。


プレス窓口:
Kathrin Kienle
Press Officer Automotive & Mobility, Industry
Tel. +49 89 / 6213 - 2754
Kathrin.Kienle@ams-osram.com

 


このセンサチップは、ADCとフォトダイオードアレイを1つのコンポーネントにモノリシックに統合しているため、容易に統合できるシステムソリューションとなっています。

写真提供元:ams OSRAM

 

ams OSRAMAS5951は、医療用およびセキュリティ用CT向けに高解像度の画像を提供します。
写真提供元:ams OSRAM

 

ams OSRAMグループについて

ams OSRAM Groupと、親会社であるams AGSIX: AMS)は、光学ソリューションのグローバルリーダーです。我々は光にインテリジェンスを持ち込み、イノベーションへの情熱を注ぐことで人々の生活を豊かにします。これが我々の言う「Sensing is Life」を意味します。

合わせて110年以上の歴史を持つ当社は、想像力、深いエンジニアリングの専門知識、そしてセンサーと光の技術におけるグローバルな生産能力を提供できることが主な特徴です。当社は、コンシューマー、自動車、ヘルスケア、インダストリーの各分野のお客様が競争力を維持することを可能にするイノベーションを創出し、環境負荷の軽減を行う一方で、健康、安全、利便性の面で生活の質を向上させるイノベーションの推進を行っています。

全世界の約27,000人の従業員が、移動をより安全に、医療診断をより正確に、そして日々のコミュニケーションの瞬間をより豊かな体験にするために、センシング、イルミネーション、およびビジュアライゼーションの分野でイノベーションに取り組んでいます。画期的なアプリケーションのために創出された技術は、15,000件以上の登録済みまたは出願中の特許に反映されています。また、オーストリアのプレムシュテッテン/グラーツに本社を置き、ドイツ・ミュンヘンに共同の本社を設置しています。そしてamsグループは2020年に合計で50億米ドルを大きく超える収益(試算)を達成いたしました。

ams AGは、スイス証券取引所に上場しています(SIX: AMS/ISINAT0000A18XM4)。

詳細情報はこちらをご覧ください:https://ams-osram.com/

amsams AGの登録商標です。また、当社製品およびサービスの多くはams Groupの登録商標または出願中の商標です。ここで記載されるその他全ての企業名および製品名は、各所有者の商標または登録商標である場合があります。本プレスリリースで提供される情報は公開時点にて正確であることが確認されており、予告なく変更される場合があります。

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