紙がプラスチックに勝つ：LED輸送のための新たなソリューションがCO₂排出量を80%削減 

※本プレスリリースは、2025年11月26日にオーストリア・プレムシュテッテンおよびドイツ・ミュンヘンで発表したプレスリリースの抄訳版です。— ams OSRAMとZumtobel Groupは、LEDストリップやコンポーネントの輸送に使用されるプラスチックリールの代替品を共同で開発しました。紙リールは、重量を1/3以上、CO₂排出量を3/4以上削減し、環境フットプリントを大幅に改善します。新しいリールによっていかなる追加コストも発生しません。これは、電子産業における持続可能なサプライチェーンへの重要な節目となります。

 

紙は、プラスチックに対していくつかの利点があります。プラスチックリールの重量は217グラムですが、紙リールはわずか140グラムで、約35%軽量化されます。プラスチックリールの原料抽出、製造、廃棄はおよそ1.075キログラムのCO₂換算排出量を生じますが¹、紙リールはわずか203gで、約80%減少できます。一部地域では、プラスチックの廃棄に費用がかかることさえありますが、紙はより再生可能・生分解可能です。

具体的には、ams OSRAMが毎年50万個を超えるプラスチックリールを紙リールに置き換えた場合、プラスチック108トンとCO₂排出量436トンを削減することができます。同時に、年間輸送重量は38.5トン低減されることになります。したがって、紙の使用は輸送コストと廃棄物を削減できるだけでなく、製造から廃棄に至るまで、サプライチェーン全体にわたってCO₂排出量を削減することもできます。

 

持続可能性と産業適合性
紙リールの安定性、取り扱いやすさ、クリーンさは、LEDの製造と製品安全性の厳格な要件を満たします。広範囲にわたる試験で、ams OSRAMとZumtobel Groupは、紙リールがプラスチックリールと同等の性能特性を示すことを証明することができました。紙のソリューションは、電子部品をプリント配線板上に配置するための高度に自動化された生産ラインである、業界標準のSMTライン上でも同等の効率と形状を維持し、強力なパフォーマンスを発揮しました。パーティクルの安全性も確認されており、クリーンルームの厳格な要件を満たしています。加えて、紙リールはプラスチックリールと同じ数のコンポーネントを保持するように設計されています。

 

信頼を基盤とするコラボレーションがもたらすイノベーションの強み
「紙リールは、当社のプロジェクトパートナーであるZumtobel Groupとの信頼を基盤とするコラボレーションを通じ、主にマレーシアの当社チームが主導して開発されました」と、ams OSRAMサステナビリティ責任者のMartin Bachlerは語ります。「より環境に配慮したいと考えるなら、すでに確立された基準に疑問を投げかける必要がありますが、それにはオープンな思考と勇気が必要です」。

「持続可能な紙リールに関する当社とams OSRAMのコラボレーションは、持続可能性がチームでの取り組みであることを今一度確認するものです」と、Zumtobel Groupのグローバル技術調達担当シニアディレクター、Bernhard Apsner氏は言います。「私たちはこのプロジェクトの始動と、資源効率に優れたパッケージングソリューションの開発におけるコラボレーションを誇りに思っています。このプロジェクトは、Zumtobel Groupのサステナビリティ戦略に沿ったものです。当社はこの戦略で自らが段階的により持続可能な企業となるとともに、顧客やパートナーと連携し、より持続可能な未来を形作る取り組みを推進しています」。

ams OSRAMとZumtobel Groupは、この構想を市場に対応したソリューションへと発展させるために緊密に連携しました。今日、紙リールは進行した試験段階にあり、すでに顧客から肯定的な評価を得ています。

 

追加コストが発生しない持続可能性
プラスチックでも紙でも、材料と製造コストは同程度であり、物流と廃棄での節約が長期的なコスト面での優位性を可能にします。紙リールは、サプライチェーンでのカーボンフットプリントや材料使用、廃棄物抑制などの主要な持続可能性指標を向上させ、顧客のESG要件遵守を支援します。

 

Light + Building 2026で紙リールをライブ体験
紙リールは、LED業界における持続可能なパッケージングソリューションの旗艦プロジェクトです。車載用コンポーネントなど他の製品ラインへの拡張と集積化に向けたステップがすでに検討されています。またリサイクルは、循環型経済の概念を一貫して実施するために積極的に追求されている分野です。

興味をお持ちのビジターは、2026年3月8日～13日にドイツのフランクフルトアムマインで開催されるLight + Buildingにて、紙リールをライブでご覧いただけます。この見本市で、ams OSRAMは、幅広いプロフェッショナルなオーディエンスに向けて初めてこの新しい輸送ソリューションをお披露目します。

ams OSRAMは、国連の持続可能な開発目標（SDG）12： つくる責任 つかう責任に関連する250件以上の特許資産によってカバーされている100を超えるイノベーションを保護してきました。

ams OSRAMにおけるサステナビリティに関する詳細情報は、当社ウェブサイトをご覧ください。