可能性のスペクトル:青色レーザーから赤外線レーザーまで

※本プレスリリースは、2025年6月11日にオーストリア・プレムシュテッテンおよびドイツ・ミュンヘンで発表したプレスリリースの抄訳版です。
工業製造、医療技術、自動車分野を問わず、レーザーは正確な距離測定や高精度の材料加工を可能にし、医療のアプリケーションにおいても新たな可能性を拓いています。


2025年6月24日から27日まで、ミュンヘンで開催されるLaser World of Photonics見本市のホールA2ブース332で、ams OSRAMはその最新のレーザーイノベーションを展示します。


ロボットとオートメーションのための光学センシング
レーザーは、ロボットとオートメーションの両分野において、正確な距離測定と物体検出に重要な役割を果たしています。3Dセンシングには、 BIDOS® P3435 Q BELAGO 1.2 ドットプロジェクターBIDOS® P2433 Q V105Q121A 850投光イルミネータなどのVCSEL(垂直共振器型面発光レーザー)ベースの製品が使用されています。波長940ナノメートルで動作するドットプロジェクターは、正確なドットパターンを生成し、近赤外線(NIR)イメージセンサがこれを受信して、アクティブステレオビジョン(ASV)やストラクチャードライト(SL)などのテクノロジーに不可欠な要素である3Dマップの計算を可能にします。これらの3Dマップは、環境に関する高解像度の空間認識をロボットに提供します。そして、850ナノメートルの投光イルミネーターが均一な照明を可能にし、タイムオブフライト(ToF)アプリケーションにおける正確な距離測定を実現します。ToFは無人搬送車(AGV)の重要な要件です。


レーザー光源に加えて、ams OSRAMは、ASVやSLカメラシステム向けのイメージセンサや、1つのVCSELと複数のフォトダイオードを単一パッケージに組み込んだダイレクトタイムオブフライト(dToF)センサモジュールなど、幅広い互換センサも提供しています。スマートセンサのほかにも、エミッタや光検出器の多様なポートフォリオを提供しており、システム設計の柔軟性を開発者に付与しています。


レーザーダイオードの汎用性:シアン、グリーン、ブルーの活用
波長488ナノメートルのシアンレーザーダイオードは、蛍光色素を効果的に刺激するため、医療診断において重要な役割を果たします。このテクノロジーにより、DNA塩基配列決定などの生物試料の正確な分析が可能になります。300ミリワットの出力を提供するPLT5 488HB_EPシアンレーザーダイオードは、これまでの製品よりも最大5倍明るく、効率とアプリケーションレンジの両方を大幅に向上させます。+/- 2ナノメートルの精度と安定性に優れた波長制御により、このダイオードは蛍光顕微鏡において細部まで可視化し、細胞構造の研究を容易にします。さらに、舞台やスタジアムの照明向けに色のスペクトルを拡大します。


緑色レーザーダイオードは、高い視覚認知と正確な照明誘導を必要とするアプリケーションに関して、特に強力であると考えられています。その波長は人間の視覚系における最も敏感な範囲内にあり、昼光条件下や明るい周囲環境での測定作業に理想的です。工事測量では、精密なレーザー水平出しと正確な測定を可能にします。また、物流におけるバーコードスキャンなど、距離計測とターゲット取得でも、緑色レーザーは高速かつ正確に結果を提供することができます。エンターテインメントやプロジェクション業界では、華やかで目を引く照明効果を作り出すことができ、クラブや舞台、コンサートなどに最適です。波長520ナノメートルの PLT5 520HB_P緑色レーザーダイオードは、そのコンパクトなフォームファクタと、旧製品よりも最大18パーセント高い130ミリワットの光出力、そしてこれらのハイパフォーマンスなアプリケーション向けに向上された効率が際立っています。


青色レーザーは幅広いアプリケーションにわたって汎用性の高い機能を提供します。青色レーザーダイオードは、その変換能力により、高出力の白色光に加えて、赤、緑、オレンジなどの幅広い色を生成できるため、このテクノロジーの応用範囲は非常に広範です。波長455ナノメートルのPLPT9 450LC_E青色レーザーダイオードは、コンパクトな設計と5.5ワットの高い光出力を組み合わせています。その高いパワー密度により、顕微鏡検査や大規模な投影、レーザー彫刻などの材料加工に理想的です。青色レーザーは高い光学性能を備えた強力な青いビームを提供するため、計測や舞台照明においても人気があります。

 

レーザーテクノロジーのほか、ams OSRAMは赤外線LED OSLON® Blackの最新世代、 SFH 4715B SFH 4716Bも出展します。1 mm²のチップ上に信頼性と効率に優れたIR:6テクノロジーを組み込んだこれらの赤外線LEDは、1050ミリワットの標準発光出力と、これまでの赤外線LEDと比較して最大26パーセント向上された輝度を実現しています。このパフォーマンス向上により光学システムの機能を強化したOSLON® Blackシリーズは、産業環境と消費者環境の両方における幅広い産業オートメーションや安全アプリケーションに最適となっています。

 

レーザーテクノロジーの詳細:VCSELとEELの赤外線レーザーとカラーレーザー
ams OSRAMが提供するレーザーテクノロジーの広範なポートフォリオは、ミュンヘンで開催されたLaser World of Photonicsで披露された製品のパフォーマンスと柔軟性の鍵となっています。


ams OSRAMのレーザーは、可視光スペクトル(400~700ナノメートル)から人の目に見えない光スペクトル(700ナノメートル超)まで、広範な波長を網羅しています。この多様性により、多様なアプリケーション向けのハイパフォーマンスなソリューションの設計を実現しています。


ams OSRAMのレーザーポートフォリオは、2つのコアテクノロジー:VCSELとEEL(端面発光レーザー)を基盤としています。VCSELは、半導体の表面に対して垂直に発光し、モバイルデバイスや産業システム、車載アプリケーションの3Dセンシングに特に適しています。EELは半導体の端面に沿って発光するもので、材料加工や照明、LiDARシステムなどの高強度または連続動作を必要とするアプリケーションに理想的です。


ロボットから医療技術まで、ams OSRAMのレーザーポートフォリオは、複雑な課題に正確で効率的なソリューションを提供します。レーザーテクノロジーにおける継続的な開発とイノベーションを通じて、この重要な技術分野における主導的位置づけを確固たるものにしています。


ams OSRAMは、レーザーダイオードの分野で2,000件を超える有効な特許資産を世界中で保有しており、この業界内で比類のないリーダーシップの位置づけを維持しています*。

 

(*)  PatentSight (https://www.lexisnexisip.com/solutions/ip-analytics-and-intelligence/patentsight/)、2025年3月27日
 

2025年6月24日から27日まで、ミュンヘンで開催されるLaser World of Photonics見本市のホールA2ブース332で、ams OSRAMはその最新のレーザーイノベーションを展示します。
画像:ams OSRAMグループ

ams OSRAMについて

ams OSRAM Group(SIX:AMS)は、革新的な光とセンサソリューションのグローバルリーダーです。

110年以上にわたる業界経験を擁し、優れたエンジニアリング能力とグローバルな製造、そして最先端のイノベーションに向けた情熱を兼ね備えています。照明、ビジュアライゼーション、センシングの境界を押し広げることに対するコミットメントは、自動車、産業、医療、コンシューマー業界に変革と進化をもたらしています。

「光の力を感じよう」―当社の成功は、光が持つ可能性に対する深い理解と、エミッタとセンサの差別化されたポートフォリオを基盤としています。世界で約19,700人の従業員が、デジタル化、スマートリビング、持続可能性といった社会のメガトレンドに沿った先駆的なイノベーションに注力しています。これは、13,000件を超える特許の取得・出願に反映されています。

オーストリアのプレムシュテッテン/グラーツに本社を置き、ドイツ・ミュンヘンに共同の本社を設置しています。当グループは2024年に34億ユーロの収益を達成しており、ams-OSRAM AGは、スイス証券取引所に上場しています(ISIN:AT0000A3EPA4)。

詳細情報はこちらをご覧ください: https://ams-osram.com/ja

amsはams-OSRAM AGの登録商標です。また、当社製品およびサービスの多くはams OSRAM Groupの商標または登録商標です。ここで記載されるその他全ての企業名および製品名は、各所有者の商標または登録商標である場合があります。
 
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