マルチスペクトルセンシングを活用して食品ロスを削減:ams OSRAMによるフォトニクスのイノベーション

プレムスタッテン(オーストリア)およびミュンヘン(ドイツ)、(2024年11月2521日)。食品ロスは、環境と経済の両方に影響を及ぼす差し迫ったグローバルな課題です。最近の数字によると、世界で生産される食品の最大3分の1が廃棄されており、不必要な資源の消費、温室効果ガスの排出、経済的損失につながっています。インテリジェントセンサとエミッタのグローバルリーダーであるams OSRAM(SIX: AMS)は、最先端のセンサ技術を提供することで、これらの問題に正面から取り組んでいます。当社のマルチスペクトルセンシングソリューションは、理想的な収穫時期をピンポイントで示すとともに、品質管理の改善を確約し、サプライチェーン全体を通じて廃棄物を削減することで、農業と食品産業において有意義な変化を促進しています。

Photonics Days Jena 2024で、ams OSRAMはマルチスペクトルセンシングテクノロジーにおける最新の進展を紹介し、そのソリューションが食品の生産と管理の変革をどのように支援しているかを示しました。果実の成熟度と品質について正確なリアルタイムデータを提供することで、業界の情報に基づいた、持続可能な意思決定を可能にし、企業と地球の両方に恩恵をもたらします。
 

マルチスペクトルテクノロジーで食品ロスに対処

食品ロスと廃棄物は、世界の温室効果ガス排出量の4.4%を占めるなど、世界の環境フットプリントに多大な影響を与えています。収穫、収穫後の処理、配送における非効率性に対処することで、ams OSRAMは廃棄物の大幅な削減を支援することができます。そのマルチスペクトルセンシングテクノロジーは、収穫に最適な時期を特定し、保存と輸送中の食品品質を管理することで、強力なソリューションを提供します。

そのマルチスペクトルセンサは、特定の波長の光の反射率を通じて果実の分子組成を分析することにより動作します。これらの非侵襲的なセンサは、クロロフィルの分解やカロテノイドの蓄積など、重要な分子の変化を追跡し、成熟過程の正確かつ詳細な状況を提供します。

科学:成熟に関するスペクトルインサイト

ams OSRAMのマルチスペクトルセンサは、可視(VIS)、近赤外(NIR)、短波赤外(SWIR)スペクトルを利用して、クロロフィル、アントシアニン、カロテノイド、水、炭素-水素結合などの主要な色素と分子を監視します。果実が成熟するにつれ、これらの分子成分が変化し、ams OSRAMのセンサはそれを正確に測定することができます。

18週間の包括的な研究において、ams OSRAMの研究者たちは、りんご、トマト、バナナの成熟プロセスを調べました。スペクトルデータを使用して、主要な波長で最適な収穫時期と成熟過程を示す明確なマーカーを特定しました。

  • クロロフィル(670 nm):果実の熟成に伴って反射率が低下し、クロロフィルの低下を示す。
  • アントシアニン(550 nm):果実に赤と紫の色合いを与えるこれらの色素が、果実の成熟に連れより顕著になる。
  • カロテノイド(480 nm):黄色とオレンジとして現れるカロテノイドは完熟に向かって増加する。
  • 水とデンプン(970~1190 nm):これらの波長は水分の損失やデンプンへの変換といった内部の変化について知見を提供するため、保存中に果物の品質を監視する際に重要となる。


これらの波長を追跡することで、ams OSRAMのセンサは卓越した正確性でさまざまな果物の成熟度を提供し、生産者が最適な時期に収穫して品質を維持し、廃棄を減少する支援を提供することができます。

実用的な応用:畑から消費者へ

これらイノベーションの中核にあるのが、AS7341マルチスペクトルセンサです。このコンパクトで費用対効果に優れたソリューションは、8つの可視(VIS)チャンネルと1つの近赤外(NIR)チャンネルにわたってリアルタイムのデータを取得でき、幅広い業界向けの多用途なツールとなります。AS7341は、その高度なマルチスペクトルセンシングテクノロジーで、食品サプライチェーンのあらゆる段階で実用的な知見を提供します。これには、次のようなものが含まれます。

  • 農業:スマートな収穫システムは、果実を摘む理想的な時期を判定できるため、畑で熟れ過ぎるリスクを最小限に抑え、輸送中の食品ロスを減少することができます。
  • 加工と選別:自動選別システムは外観ではなく中身の品質に基づいて分類することができ、加工工場での効率を高め、無駄を削減します。
  • 小売と配送:スーパーマーケットや配送センターは、リアルタイムで青果物の鮮度を監視し、最高品質の商品だけが棚に並ぶよう確約することができます。
  • コンシューマーデバイス:消費者がマルチスペクトルセンサを搭載した携帯端末でしっかり熟した果物を選べるようになれば、家庭での食品ロスを削減できます。


食品産業におけるマルチスペクトルセンシングテクノロジーの可能性は絶大です。廃棄物の削減、製品の品質向上、保存可能期間の延長を実現するams OSRAMのセンサソリューションは、農家や食品加工業者、小売業者などに、スケーラブルで費用対効果に優れたツールを提供します。これらのセンサを運用に組み込むことで、企業はワークフローを合理化し、品質管理を強化でき、グローバルな持続可能性への取り組みに大きく寄与することができます。

これから:持続可能な未来を形作る

Photonics Days Jena 2024で紹介されたマルチスペクトルセンシングの研究では、食品ロスへの取り組みにおいて変革をもたらすフォトニクスの力が明確に示されています。ams OSRAMの革新的なセンサテクノロジーは、企業のより効率的な運営だけでなく、持続可能な食品生産の未来も促進します。リアルタイムのデータに基づいた意思決定を可能にすることで、ams OSRAMは未来の世代のために、より持続可能な食料体系に貢献しています。

私たちのビジョンは明確です。光の力を活用し、よりスマートで、より持続可能な世界を実現します。効率的で環境に配慮したソリューションに対する需要が高まる中、ams OSRAMはイノベーションの最前線で、さまざまな業界に具体的なメリットをもたらす製品を生み出しています。力を合わせて、食品ロスを削減し、品質を向上させ、そしてより明るい持続可能な未来への道を切り拓くことができます。

ams OSRAMについて

ams OSRAM Group(SIX:AMS)は、インテリジェントセンサとエミッタのグローバルリーダーです。照明にインテリジェント性を持たせてイノベーションに情熱を注ぐことで、私たちは人々の生活を豊かにします。

合わせて110年以上の歴史を持つ当社は、想像力、深いエンジニアリングの専門知識、そしてセンサと光の技術におけるグローバルな生産能力を提供できることが主な特徴です。当社は、自動車、産業、医療、コンシューマー市場のお客様が競争力を維持することを可能にするイノベーションを創出し、環境負荷の軽減を行う一方で、健康、安全、利便性の面で生活の質を向上させるイノベーションの推進を行っています。

世界中の約20,000人の従業員が、センシング、イルミネーション、ビジュアライゼーションの分野でイノベーションを起こし、運転をより安全に、医療診断をより正確に、そして日々のコミュニケーションをより豊かにしています。その業務は画期的なアプリケーションのための技術を生み出しており、これは15,000件以上の特許の取得・出願に反映されています。また、オーストリアのプレムシュテッテン/グラーツに本社を置き、ドイツ・ミュンヘンに共同の本社を設置しています。そしてグループは2023年に36億ユーロの収益を達成しており、ams-OSRAM AGは、スイス証券取引所に上場しています(ISIN:AT0000A3EPA4)。

詳細情報はこちらをご覧ください: https://ams-osram.com

amsはams-OSRAM AGの登録商標です。また、当社製品およびサービスの多くはams OSRAM Groupの商標または登録商標です。ここで記載されるその他全ての企業名および製品名は、各所有者の商標または登録商標である場合があります。
 
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